南関東4競馬の「不透明な運営体質」への苦言(1) | 裏・猛牛丸日記(マーブルXの裏の裏・どろどろ日記)

南関東4競馬の「不透明な運営体質」への苦言(1)

(3連単馬券推進」策等の、「興行優先型」運営の問題点とは?)

最近思うのだが、南関東4競馬場(大井・川崎・船橋・浦和)において導入されている、「3連勝式馬券」、とりわけ「3連単(馬番3連勝単式)馬券」を、主催者たる4組合側(特に特別区競馬組合)が躍起になってその購入を促すかの如き宣伝の手法をしている部分等についての問題点として、いくつかの「苦言」を発しておかねばならないと思う。

まず、第1に、競馬における「3連単」の、他種競技やパチンコ・ナンバーズ3と比べても格段に低い表面確率に起因する、「賭博性」の激化に関する、CR化以降のパチンコ(特にデジパチ・権利物等)同様の「金銭濫費(使い過ぎ)」の危険性等についての、十分な検証も全くされずに、「見切り発車」的に強引な導入を行った事。ただでさえ、「3連単」が1~3着を着順通り、「3連複」は1~3着を順不同でそれぞれ当てなければならないシステムなのに、この賭式を単・複勝式や2連勝式と同様に、十把ひとからげに「100円単位」で発売するだけでは、低確率に起因する不的中の多さから、一度付いた筈の新規ファンが離れて行きかねないのでは?との懸念が考えられてならないのだが…。(競馬法上、勝馬投票券(馬券)は「1枚分10円」で、100円券は「10円券×10枚を代表する1枚」として発売出来ている訳だからして、「1枚券としての10円(単位)馬券」の発売を、3連勝式限定という形でも、認めてやっても良い時期に来ているのではないか???

第2に、そうした3連勝馬券の「賭博性」を高める「努力(?)」が、かつてのバブル期ならばいざ知らず、この未曾有の大不況期において、一種のゴリ押しで実施されることにより、ファンの選別・差別化(要は、賭博性のそれほど高くない枠複やワイドで遊ぼうというファンや、少額の小遣い銭で楽しもう、というファン(特にライトユーザー)を、ある種「排除」させようというような、うがった「魂胆」)が見え隠れもしなくはないだろうか???即ち、これまでの「旧馬券」たる2連勝式馬券で楽しんできたファンに、「3連勝式馬券」を沢山買うように仕向けさせるだけの、競走番組の「難解化」(関係者の「無気力さ」の部分等も含めて)とリンクさせる形での、確率面での「弊害」を出来るだけ隠蔽させようとする考え方があるのでは?との懸念だ。

第3に、これは大井競馬における広報宣伝・「興行」の面での苦言だが、どうも大井には「夜のダート競馬」の「見た目の綺麗さ」のイメージを悪用して、そうした「3連勝馬券の賭博性の弊害」の部分を隠そうとする意図・魂胆がかなり見え見えになっているのではないか?という事だ。例えば、大井本場における、ナイター開催時の、照明のいわゆる「カクテル光線」やら、かえって「無意味」としか思えない「電飾ショー」等やら、某関西大手芸能会社所属タレント等を起用したショーだの、「娯楽の多様化」への便乗としか思えない、必要以上の飲食スペースの多さ(「ホトチャンキッチン」(←2002年限定、2003年度は「スパイスガーデン」)「ダイアモンドターン」「フードコート」等々…)等とは裏腹の、主に非開催日の土日における、開催休日(ホリデー)制度による、他地区競馬の場外発売への対応の不十分さや、すでに廃止となった新潟地区・益田等における専用場外での場外発売の、それぞれの地元一般紙・テレビ・ラジオ等への広告広報を、ほとんど全くといっていい程行わないという問題等はその最たる好例だろう。

第4に、競艇や競輪といった、類似の競技が「3連単」を導入したからと言って、当の南関東を仕切る大井が、「地方競馬の現状の検証」も全く行わないまま、目先の「収益改善には3連勝馬券しかない」という短絡的な論理に走ることによって、「我も我も」と3連勝馬券(しかも馬番)を売る事によって、逆に、南関東4本場+新潟・益田場外に行けるファンでなしに、4競馬電話投票(SPAT4)を会員として利用する(主に遠隔地や多忙がちの)ファンに対して、「コンピュータシステムの対応・更新工事の遅れ」を理由に、電投での導入を、本場+益田(2002年4月当時は競馬場として開催存続中だった…)場外での導入よりも1年間遅らせる(2003年4月導入予定…、新潟地区では2002年9月にようやく導入。)という、逆差別的な「不利益」を強いて、かえって、それが、「3連勝馬券を買いたくても、(未対応な為に)いつしかSPAT4を利用しなくなり、気が付いたら6ヶ月間無投票状態で強制解約…」の憂き目に遭うファンが出はしないか???という問題点も懸念される。(注:最終投票日からの電投における無投票期間が一定期間に達すると、約定により「強制解約」となるが、その期間は、JRA及び「地方競馬共同在宅投票(D-net)」が1年間であるのに対して、SPAT4のそれは6ヶ月間である。)

第5に、これは前述の「3連勝馬券」の電投対応とは直接の関係はないかも知れないが、全般に、スポーツ新聞での、地方競馬電話投票会員に対する、紙面上での出走表のサポートが不十分かつ、ある種の「逆差別」的な扱いを受ける、という弊害を挙げておきたい。競輪・競艇・オートレースの場合、重賞競走の出走表等を、「電話投票会員の便宜」を図る為に掲載しているケースが多いが、一方の競馬の場合は、と言うと、まず第一にJRA、次いで南関東競馬(北海道地区版では道営ホッカイドウ競馬の方が多い)、その後に「他3種競技と同等、またはそれ以下」の扱いで他地区…と言う扱いであり、「他地区競馬の電話投票を行う時に、keiba.go.jpの手を借りねば予想がそもそも出来ない」というお寒い状況を作り出しているのではないか???との懸念がある。これについては、各スポーツ紙において、早急に改善が必要なのではないのか???(「電話投票コーナー」を設けて、「場コード+各システムの対応状況(例:「SPAT4(南関東電投)のみ」「R-CALL(岩手電投)のみ」「D-net(共同在宅投票)のみ」等と表記…。)」を表示した上で、各競馬場の予想付出馬表を掲載させてやる必要があるのではないか。その方が、将来起こり得る「電話投票中心のファンの増加」に対応できるからである…。)

最後に、南関東ナイター開催時の、他地区競馬の昼間開催の「リレー場外併売」や、他地区及びJRAの競馬の、「ホリデー(開催休日)」における場間場外発売等を、4場側が、「採算上の問題」から一切行わない、と言う点についてだが、これは「大欠陥」と言われても仕方がない。現に、「ホリデー前日の南関東開催の的中馬券を、ホリデーたる土日に払戻そうと思っても、休務日にかかるため一切払戻不可…で、『どうしても』と言う者は、泣く泣くウインズ付近の『換金屋』に(手数料の差引かれた差額を)換金…という羽目に陥る上に、大井ナイター開催時のオフト後楽園では、JRAとの競合日に、JRA最終レース終了後の夕方の16時30分頃~夜の時間帯にかけて、「〆切10分前に並んでも当回レースの馬券が買えない事がある」という弊害すらも発生しているし、そもそも、南関東競馬自体、「早朝の時間帯の外向発売」すら行わないため、「多彩なファンのニーズ」に即応できずの状況でもある。(川崎競輪のナイター開催ですら、午前7時30分から外向発売がされている。)
そうした各種の問題点等についての、真摯かつ徹底的な検証も何らなされぬままに、南関東4競馬組合が、闇雲に「3連単馬券」を推進している現状には、全くもって、どこか「売上至上主義」的な「参加者たるファンを無視」した部分がある、と言う他にはないと思うが、いかがか???

(「ホリデー制度」の「馬券的弊害」について。)

ところで、南関東地区や東海地区(愛知・笠松)、兵庫県(園田・姫路)、更に道営ホッカイドウ競馬(平地)の場合、「JRAとの興行的競合」を回避しての「収益・採算の確保」の面や、厩舎関係者や開催従事員等の「福利厚生・慰労」の部分も兼ねて、「開催の中休み」としての非開催日たる「ホリデー」を、主に(通常、中央競馬の開催される)土・日曜日に設定しているが、これにも、いくつかの、馬券的な「弊害」が見え隠れしている部分があるので、以下に取り上げたい。

(1)非開催日の「ホリデー」時に、一部(例:道営ホッカイドウ競馬とばんえい競馬の併売を行う発売所)を除いては、「他地区競馬の場外発売も行われない」限りにおいて、払戻の業務も(「休務日」と言う事で)行われず、それ故に、「JRAとの馬券資金的な還流サイクル」が成立し得ない点。
(要するに、例えば、「月曜~金曜まで大井競馬開催」→「土・日はホリデーで、JRAが開催」という時に、金曜日前売で当てた馬券を、翌日~翌々日の土・日曜日に払戻す事は出来ず、払戻金をJRA等のレースの馬券資金に充てる事は出来ない」という馬券的な欠点がある、という事。)

(2)「ホリデー」時の馬券の払戻が休みになる事で、「ホリデー」にかかる土・日曜日の馬券の払戻が出来ない事により、「急場の馬券の換金」の面で、JRAのウインズ(場外)周辺で営業する「換金屋」(注:後楽園では「ドーム利益供与事件」後の、地権者たる東京ドーム側の「暴力団排除策」により排除済)に、泣く泣く(本来の的中券の払戻金から)手数料を差し引かせてもらわなければならず、ソコに付け込んでの、暴力団の「みかじめ料」(←バックマージン)等の「利権」が多分に介在してしまう恐れがある点。

(3)非開催日(兼払戻休務日)である「ホリデー」が、主に「JRA開催日の土・日曜日」に設定される事により、「土・日曜日に開催される地区の地方競馬」の競走(特に他地区の交流重賞等)の広域場外発売への対応が出来なくなる、という「レースへの興味」の部分における「弊害」をも引き起こし、それが各地区の競馬における、「馬券発売面での販路の拡大」の面における、ある種の「障壁」ともなっている点。<いくら「不採算の恐れ」がある、といっても、「発売窓口数を通常よりも減らして売る」事も出来そうに思えるのだが…。

以上の点を考えるに、これからの「地方競馬の広域的な運営統合→将来の地方・中央の運営統合」と言う面において、現状の南関東地区や東海地区における、年間の競馬開催日数(年平均開催日数300日前後、しかも平日中心)の「過密さ」は、いささか問題になる部分をはらんでいる、と言わざるを得ず、この点において「開催日程の(「地区」の壁を乗り越えての、リレー発売やホリデー発売も含めた「広域的・日常的な相互場外発売」を軸とした)広域的な整理・統合(←日程面の「相互リストラ」の部分)による、広域的な場外馬券発売網の整備、並びに人馬の交流の拡大」によって、各地区の主催者の収益力を上げる事の方が、「鎖国競馬の打破」の為にも特に重要ではないか、とも思えるのだが…。(その意味で、九州競馬(佐賀・荒尾)と岩手競馬との、広域的な「姉妹提携関係」は、「画期的」と言わざるを得ない面がある。)

例えば、南関東4競馬の馬券の広域場外発売は、上山競馬(山形県:現在は開催廃止)の、冬季休催期間における場外発売が発端となって、全国に拡大していったが、それでは、南関東地区が、その「見返り」として、「他地区の地方競馬の馬券を全レース場外発売した」事が、過去にあるだろうか?そんな訳は「ない」だろう。

あれだけ過密な開催日程をこなして、自地区の競馬の、元々の「人気」の高さの面にも助けられて、ある種「押し売り的」に、自らの馬券発売の販路を、南関東地区が「大井主導」で巨大化させてきた割には、他地区との収益・採算面での「均衡」や、競馬ファンの地区間相互の「共有化」という観点からの、「共存共栄」の面における「広域的視野」が、決定的になさ過ぎる、と言ってしまってもおかしくない部分が存在するのではないだろうか?

(交流・遠征の少なさ等の面についての考察)

ところで、南関東4競馬においては、大井競馬が「JRA認定競走」を2歳戦に組まなかったり、あるいは「JRA認定馬」が大井競馬場(調教施設としての小林分場も含む、以下同じ)に入厩した場合に、その認定権が、大井所属期間中は「保留」という形で停止されてしまうのだが、実際問題として、大井の場合のこれらとは別に、「大井以外の3競馬場(川崎・船橋・浦和)に所属する認定馬が、中央の「(特指)戦」(認定馬も出走できる、特別指定交流競走)に遠征するケースが東海等の他地区のそれと比較して非常に少なく、もしあっても大井所属騎手(例:的場文男等)を起用するケースは少ない(大方は、石崎隆之等の船橋勢を起用)」という面での、番組的な「見えない障壁」に近い部分も挙げる事が出来る。

又、南関東4競馬の場合、「その市場力、或いは背後人口(首都圏の人口:2000万人以上)や地区自体の有する経済力の『大きさ』によって、これまで地方競馬におけるトップクラスの売上を上げてきた」のをいい事に、他地区と比べても「相対的に破格」(例え下級条件戦でも、最下級のC3級の条件の平場で1着賞金100万円、5着でも10万円なのに、他場のそれはせいぜい10~20万円台…、5着賞金が数千円…という所もある。)な高額賞金(と言う名の「格差」)をもって、他地区から実力馬をゴッソリ引き抜いて転籍させたりもするが、逆に、これらが、かえって「他地区馬の関係者が中央遠征を積極的にしている裏で、南関東の場合、元々の自地区の入着賞金が「相対的に(他地区のそれより)高い」為に、有力な認定馬が「勝ち負け(言い換えれば『ヤリ・ヤラズ』による入着面での駆け引き)を計算できる」地元レースばかりに出走する一方で、「負け戦を覚悟で」中央競馬の(特指)戦に敢然と挑戦する馬が少なく、もし出たとしても「1~2戦、主に芝のレースを(能力・適正を度外にして)凡走覚悟で使い、ある意味『捨て駒(=叩き台)』として使う」ケースばかり、という状況をも生み出す要因の1つともなっている。

これらは、残念ながら、「オープン級の有力馬」にも言える事で、「ソコソコ能力のある」筈の南関東の有力オープン(A1級)馬が、他地区の地方競馬における、「東日本地区交流」或いは「全国交流」の格付を持つ交流重賞(←グレードなしの「D重賞」扱いだが、南関東限定の重賞よりも本来は「格上」の筈…。)や、他地区主催のダートグレード競走(特に馬齢限定戦…例:北海道2歳優駿・名古屋優駿・グランシャリオカップ・サラブレッドチャレンジカップ等々…)を使いたがらない理由等にも十分に「当てはまる」部分がある。

その上に、もし仮に「南関東所属の騎手が、認定馬に騎乗する為中央遠征して来た」としても、石崎隆之・的場文男等の「リーディング上位」クラスの騎手の場合ならばともかく、リーディング上位でない騎手が(特指)戦に出走する場合において、(特指)戦以外の[指定]戦(騎手指定交流競走…当日遠征してきた地方競馬の騎手が出場・騎乗できる競走)への、中央サイドの騎乗依頼が少ないという問題も挙げられるのだが…。(騎手の技量云々もあるが、「特に若手の場合、「経験差」もある意味『技量差』の内に入る」という事を考える必要があるように思えるが…。)<これも、他地区遠征の際にあてはまる問題。

又、これは中央と地方との、騎手免許の「システム上の扱いの差異」に起因するものなのだが、中央競馬の場合は、騎手の所属が美浦(東)・栗東(西)の両トレーニングセンターに分かれているだけで、厩舎に所属せず「フリーランス」の立場という騎手も(その騎乗成績の良否にかかわらず)存在する(→勿論、厩舎との所属契約を結んでいる騎手もいる)のに、一方の地方競馬の場合は、「騎手は全員いずれかの競馬場(主催者)に存在する、特定の厩舎の所属(要は、調教師に騎手が『飼い慣らされて』いる)」という、「帰属の概念のはっきりした」システムである為、特に南関東においては、「主に『丁稚奉公』の形でデビューした、『成績下位』の騎手等が、怪我等の身体故障でもないのに、ロクに騎乗機会も与えられずに『調教助手(攻め馬手)化』する」という事がよく発生するが、これが若手騎手の「伸びる芽」を摘み取ってしまっている事に、どれだけ関係者が気付いているのだろうか?正直疑問だ。

そして最後に、中央競馬との条件馬交流競走における、各地における、「対戦条件の固定化」にも起因する所のある、出走馬のレベルの「相対的な低さ」の面も、又、「見逃せない問題」として指摘しておかなければならない。
というのも、現在の地方競馬では、「1~5着までの入着総賞金」を基本として番組賞金が算出され、それによって格付・番組編成が各主催者独自の判断においてなされているのに対して、中央競馬のそれは、一種の「勝ち抜き制」による「収得本賞金」によって格付される事もあってか、その辺の違いにおいて、例えば、「対500万下条件の交流戦を勝った馬が、その後何度も500万下条件相当の交流戦に出走しては連勝しまくる、なんて事も、番組的に可能」というような問題点を、一体どうするのか、という懸念が出てしまっても、何ら「おかしくはない」状況だからである…。

(追伸)これは特に南関東の調教師等の厩舎関係者の場合に言える事だが、旧態依然とした運営体質の中で、まさか「(ファンの投じた馬券から原資が出ている)日々のレースでの『努力』によって稼いだ入着賞金よりも、本来「第三者」たるべき(!)馬主や新聞記者等の一部と親密になるのをいい事に、(気配等の)『裏情報』を流して、裏口で馬券を不正に頼んで(←インサイダー取引!)、その『アガリ』を当てにする、等というような、本末転倒なヨコシマな事を考えてはいないのか?(<本来、これらが「競馬法違反」なのは当然なのに…。)」という疑問も出て来るように思えてならないのだが…。
(この事は、既にネット上でも一部問題提起されているのだが…。<新聞紙上の印の並びと、実際のオッズが「アベコベ状態」になる「怪現象」等)